2020 令和2年 6月

多柱型経営の実現に向けて始動

時代や環境変化の荒波を乗り越え、永続する強い会社を築くためには、どうすればいいのか。その問いを突き詰め、蔦井の新たな成長戦略として令和2年6月に打ち出したのが「多柱型経営」だ。
多柱型経営とは、コア事業を守りながら、積極的に新たなビジネスを取り入れ、経営の安定化を図る取り組みを指す。建物と同じように複数の柱を持てば、会社の基盤は頑丈になる。景気低迷等の影響で、もしいずれかの事業の業績が下振れしたとしても、他の事業で挽回しやすい。さらには、事業間のつながりによるシナジー効果も期待できる。
背景にあるのは「従来の延長線上での取り組みでは安定的な成長を見通せない」という強い危機感だ。当社は創業以来、道路関連事業で成長を遂げたが、将来的に人口減少の影響を免れない。道路関連以外からも、次世代の蔦井の柱となる事業を創出すべきと、舵を切ったのである。子ども向け英会話教室の開設、自転車駐車場事業や公園施設管理業務のスタートなど、すでに多柱型経営の萌芽はあり、方向性を会社として明確にした格好だ。
蔦井が参入しうる新たな市場、事業分野について、熊田光男社長は「地域インフラ企業として培った実績を生かし、公益に資することが前提」と語る。その方針をもとに、特に国や自治体が進めるPPP(Public Private Partnership/官民連携)やPFI(Private Finance Initiative/民間資金等活用事業)に注力し、持続可能なまちづくりへの貢献と企業成長を両立するビジネスモデルの創出を目指す。